マンションにお住まいの皆様にとって、快適な暮らしを維持するために欠かせないのが「修繕積立金」です。計画的な積立ては大規模修繕工事に備える上で非常に重要ですが、「もっと効率的に積立てたい」「何か良い方法はないか」とお悩みのマンション管理組合様もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな皆様にぜひ知っていただきたいのが、**住宅金融支援機構が発行する「マンションすまい・る債」**です。この債券は、マンション管理組合様の計画的な積立てをサポートするために生まれました。国の認可を受けて発行されており、これまでに多くの管理組合様が活用されています。
今回は、この「マンションすまい・る債」がどのようなものなのか、その特徴やメリットをご紹介します。
「マンションすまい・る債」ってどんな債券?
マンションすまい・る債は、**「利付10年債」**という種類の債券です。これは、満期までの期間が10年で、定期的に利息が支払われるタイプの有価証券です。
具体的には、購入いただいた年の次の年から毎年1回(2月予定)利息が支払われ、10年後の満期時には、それまで毎年支払われた利息に加えて、購入金額(元本)と10年目の利息が支払われます。
「マンションすまい・る債」のここがすごい!主な特長
- 毎年利息がもらえる!しかも段階的に増える! マンションすまい・る債の大きな特徴の一つは、毎年1回利息が支払われることです。さらに嬉しいことに、お支払いする利息額は毎年段階的に増加します。長期で保有するほど、より多くの利息収入が見込める設計になっています。
- 少額から購入可能!継続購入で計画的に! 1口10万円から購入可能です。複数口購入することもできます。 また、同じ金額(同じ口数)であれば、1回以上最大10回まで毎年継続して購入できます。毎年貯まる修繕積立金で継続購入することで、将来の大規模修繕工事に備えて、計画的に積立てを進めることができます。継続購入を中断しても、既に購入した債券を解約する必要はありません。なお、2回目以後に購入する債券の利率は、毎年発行の都度決まります。
- いざという時も安心!中途換金が可能! 修繕工事などで資金が必要になった場合でも安心です。初回債券発行日から1年以上経過していれば、手数料なしで、1口単位(10万円)で中途換金が可能です。中途換金時には、購入金額(元本)に所定の利息を加えた金額が支払われます。
- 購入金額には上限があります 購入できる金額は、原則として、マンション全体の1年あたりの修繕積立金額と前年度決算における修繕積立金会計の残高(定期的に積み立てた修繕積立金の残高や修繕積立基金の残高など、借入金額を除いた合計額)の範囲内となります。
代表的な購入例をご紹介
マンションすまい・る債にはいくつかの活用方法がありますが、代表的な例として以下の2つが挙げられます。
- 例① 毎年貯まる修繕積立金で継続して購入するケース 毎年貯まる修繕積立金の範囲内で、同じ金額(口数)を最大10回まで継続購入していく方法です。毎年コツコツ積み立てたい管理組合様におすすめです。
- 例② 修繕積立基金や既に貯まっている修繕積立金等をまとめて購入するケース 既に積み立てられている修繕積立基金や、貯まっている修繕積立金等をまとめた金額で購入する方法です。この場合、購入金額が毎年の積立金額を超えることが想定されるため、次年度以降は新規で応募して購入することになります。
購入者限定!管理組合への嬉しい特典!
マンションすまい・る債を購入されたマンション管理組合様は、以下の特典をご利用いただけます。これらの特典は、初回の購入時から債券の残高がなくなるまで利用可能です。
- マンション共用部分リフォーム融資の融資金利が年0.2%引き下げ
- マンション共用部分リフォーム融資の保証料が2割程度割引((公財)マンション管理センターに保証委託する場合)
将来の大規模修繕工事などで共用部分リフォーム融資の利用を検討する場合に、金利負担や保証料の軽減が期待できます。
まとめ
「マンションすまい・る債」は、住宅金融支援機構が発行し、国の認可を受けた信頼性の高い債券です。毎年段階的に増える利息と、手数料不要の中途換金、そして管理組合への特典など、マンションの修繕積立金を計画的に、かつ効率的に積立てていくための有効な選択肢となり得ます。
修繕積立金の運用方法についてお悩みのマンション管理組合様は、ぜひ「マンションすまい・る債」の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
より詳しい情報や、購入の条件、最新の利率については、住宅金融支援機構のホームページなどでご確認ください。
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